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とうもろこし(玉蜀黍・スィートコーン)
          北海道では「とうきび」

(ここに書かれている事は100%正しい訳ではありません、当方の主観なども入ったりしておりますもしあなたがこれによりどのような損害を被っても責任はもてませんのでご注意ください)
イネ科 トウモロコシ属
原産地 アメリカ大陸
歴史 ヨーロッパへの伝播は新大陸発見時、アジアへは16世紀初めに、ポルトガルから中東、インド、チベット経由で中国に導入されたと考えられているそうです。
日本への伝来は、1579年にポルトガル人が長崎に持ち込んだのが最初です、
実質的には明治37年に北海道農業試験場がアメリカからゴールデン・ハニーバンダムを導入したのが始まり。
その後北海道にていくつかの品種が導入され、更に太平洋戦争後に栽培が増加し各地に普及しました。
種類
注意しないといけないのは、「とうもろこし」と「スィートコーン」はよく混同して言われますが、実はこれ若干意味が違います。
詳細は下の雑談の欄に書きますが、ここではスィートコーンの話しをします。

スィートコーンの種類は甘味によって下記のように分けられます

・普通甘味種(ジュビリーなど)
主に缶詰加工用
商業レベルのスィートコーンとして開発されたタイプでsu遺伝子が甘味を司ります。
ほとんどのスィートコーンがこのsu遺伝子が甘味の基本になっているようです。

・se種(サラダコーン)
改良型加工用
普通甘味種にse遺伝子をプラスしたもの、se遺伝子には様々な特徴があるようでsu遺伝子だけのものと比べると
ショ糖を増加させる、粒にしわが寄るのが遅くゆっくり熟していく、粒色が淡い、粒皮がやわらかい、麦芽糖含有量が高く低カロリー、澱粉量が少ない

・シナジスティック種(ハニーコム)
普通甘味種にsh2遺伝子をプラスしたもの、sh2遺伝子は高含量の糖を蓄積できるという特徴があります。
これにより、su遺伝子だけの普通甘味種に比べて糖含有量は約50%アップします。

・スイートブリッド種(スィートアイス)
上の3種を合成したタイプ、つまりsu遺伝子にse遺伝子sh2遺伝子が合成されているタイプです。
収穫した穂の44%の粒が高糖度となりのこり56%の粒がクリーミーな風味の水溶性多糖類を含有する粒になるそうです。

・スーパースィート種(ピーターコーンなど)
甘さを決定づけるsh2遺伝子だけをもつ種です。 日本で普及していた生食用タイプの中核
普通甘味種より約2倍の甘味があります。
ショ糖が中心で果糖は僅か。

・改良型スーパースィート種(キャンベラ90など)
スーパースィート種にsu遺伝子が組み合わされたもの。
普通甘味種より125%、スーパースィート種より25%それぞれ甘味が高い。
ショ糖が中心で果糖は僅か。

・ウルトラスーパースィート種(味来390など)
改良型スーパースィート種に更にもう一つsu遺伝子が追加されたもの。
普通甘味種より150%、スーパースィート種より50%それぞれ甘味が高い。
種子が紙片のようにぺらぺらで薄く発芽率が極めて低いので長い間商品化されませんでしたが、発芽率と栽培技術の向上で世の中に出てくることになったそうです。
ショ糖の含有量は最大、果糖も増えてくる、麦芽糖は僅か。

・seとsh2の合成種(サニーショコラなど)
改良型スーパースィート種にse遺伝子を組み合わせたもの。
強甘味であり粒皮はきわめてやわらかくフルーティな風味を持っています。
発芽率がよく大型穂になる生産者としても作りやすい種です。
ショ糖が中心で、果糖と麦芽糖が多い

ショ糖: 砂糖の主成分で甘味を強く感じる
果糖: 果物・蜂蜜に多く含まれる糖で糖類中最も甘味が高い
麦芽糖: 甘味をまろやかにし低カロリー

参考文献:現代農業2004年2月号

栄養 ・糖質が高い
・蛋白質、カリウム、マグネシウム、リン、
 鉄、ビタミンB1、B2、ナイアシン、食物繊維等が高レベルで含まれる。
・主要食料の要素を多く備えています。
雑談

その@
とうもろこし(玉蜀黍)とはスィートコーンも含めデント種、フリント種、ポップ種、ワキシー種などの総称です。
実際に皆さんが茹でたり焼いたりして食べているものは正確には「とうもろこしのスィートコーン」というのが正しいでしょう。
北海道では、スィートコーンとデントコーン、ポップコーンなども栽培されていますので、とうもろこしという漠然とした呼び方はしませんが、皆様方がスィートコーン以外のとうもろこしと出会うことはまずは無いと思いますので、一般的に広く浸透しています「とうもろこし」という呼び方を当方ではさせていただきます。
スィートコーン以外のとうもろこしは大抵穀物として利用されている種です。
例えばデントコーンは牛などの飼料として大量に生産されています。
話しをスィートコーンに戻しまして、スィートコーンはとうもろこしの胚乳の突然変異種であるそうです。
種子が若く、乳液を分泌し、甘くて柔らかく、水分の多い、乳熟後期の未成熟段階で収穫したものがスィートコーンです。
だから収穫のタイミングっていうのが特に難しいのです。

そのA
とうもろこしのひげがありますよね、あのひげ実は粒一つから一本出ているって知ってましたか?
つまりあのひげの本数を数えたら粒の数がわかるのです!
ひげはおしべでして、木の上にある花から花粉がヒラヒラ飛んできてひげに付着すれば無事受粉が完了となります。 全てのひげにまんべんなく花粉がつけばいいのですが、そうでない場合はそのひげに繋がる粒はちゃんとした粒にならないわけです。
ついでにもう一つ、
とうもろこしは自分の花粉では受粉しません、必ず他の木に咲く花から飛んできた花粉でしか受粉しません。
よって、とうもろこし1本だけ作っていても、ちゃんとした実はつかないって事になります。
ご自分で栽培される場合も、受粉のされやすさを考えて、一列だけ並べて植えるのではなく、複数列、出来れば正方形に植えるのが良い実を取るための最も良い植え方です。

 

 

 

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